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9月ログイン!
月始めは仕事が忙しいので落ち着いたら上田と大阪行ってきます!
楽しみ!!
SSは昔書いた学バサネタ発掘です!
放映当時4話に萌えてツイッターでフォロワーさんに押し付けたブツです!
・佐幸(+慶次)
・現代
・学バサ(※4話ネタバレ有り)
※何でも許せる方向け
【彼と彼らの恋愛事情】
知らないふりをしていたのに。
しかしこれは、と前田慶次は天を仰いだ。
クラスメイトの真田幸村と、彼の幼馴染の一つ先輩の猿飛佐助。
二人が付き合っている事に慶次は以前から気付いていた。
顔は可愛いのに男前。
しかし抜けてる所もあって放っておけないクラスメイトが昼になるといつもふらりと屋上に向かう。
もしや一人で昼を食べているのだろうかと思い心配になり、追いかけたのが慶次が二人を知った切っ掛けだ。
結論から言えば幸村は一人では無く慶次の心配は杞憂だった訳なのだが。
いつも屋上では幼馴染みが待っており、二人は一緒に昼を食べていると聞いて驚いたものだ。
幸村の弁当を佐助が作っているから待ち合わせているのだと二人は言っていたけれど。
それならば弁当を幸村に持たせればいいだけな話で。
別に毎日待ち合わせて一緒に食べる必要はない。
そもそも幼馴染みと言えど家族ではない他人が後輩の弁当を作る行為が少々特殊だ。
近すぎる距離も昔馴染み故と言うのか。
不思議に思い、二人を見ている内に違うと分かった。
理由は簡単。
お互いを見る目が明らかに友人のそれとは違ったから。
優しい様な、眩し気なそれは、互いに恋をしている目であった。
慶次は恋が好きだ。
自分の事のみならず恋をしている人を見るのも好きだ。
だから二人にも色々話を聞いてみたかったのだけれど。
止めておいた。
本人が言わないなら聞くべきだは無いと思ったのだ。
男同士の関係に慶次は偏見はないけれど、当人らは知られたくないと思っているかも知れないと。
思い知らない振りをしていた。
故に気付いてからも変わらず接して。
偶に屋上に押しかけ二人の昼食に混ざってみたり。
そうして楽しそうな二人を見ては何となく自分も嬉しさを感じていたりしたのだけれど。
しかし、これは――
とある事情で中間テストで良い点を取らねばならず、二人に勉強を教えてくれと頼み込んだ昼下がり。
頼みごとが勉強であった為か最初は普通に聞いてくれていた佐助と幸村だったが、動機を告げると幸村が途端に真っ赤になって肩を怒らせ否を唱えた。
「で、でぇとぉ!?は、破廉恥でござる!しかも先生と生徒!」
「ほらぁ、デートなんて言うから妄想に火がついちゃった・・・」
デートなんて、ただ一緒に出掛けて遊ぶだけの行為を破廉恥などと。
箱入り過ぎやしないかと思いはすれど、しかしそれも初心な幸村なら納得してしまう所だと慶次は思っていた。
彼にとっては手を繋いだり肩を抱いたりするだけでも十分破廉恥なのだろう。
そう言う行為も彼は成人するまでは、などと思っていそうな節がある。
こりゃ佐助も苦労するだろうなと。
引きずり連れて行かれた佐助に苦笑して、仕方なく他の手を探すかと教室に戻ろうとした慶次であったが。
直後にその考えを即座に訂正せねばならない破目になる。
屋上から校舎に戻る唯一の通路である塔屋の扉。
開けると階段を半分程降りた踊り場に人の気配がある事に気付き慶次は足を踏み留めた。
それは佐助と幸村の様で、まだ教室に戻っていなかった二人はそこで何かを話している様だった。
ひそめられた佐助の声は低く、もしや先程の自分の所為で何か揉めてしまったのだろうかと慶次は不意に心配になる。
いざとなったら仲裁せねばと、そう思って暫く聞き耳を立ててみたのだが。
「あんなんで赤くなってさぁ・・・そう言う顔を俺様以外に見せちゃ駄目だって言ってるだろ」
「う・・・だがしかし・・・ででででぇとなどと破廉恥な事を前田殿が申すから・・・」
「デートなんて一緒に出掛けて遊ぶだけじゃない。何をそんな・・・」
「おっ、お前が・・・!」
一瞬大きく荒くなる幸村の声。
しかし直後ハッとした様に上を見る。
慶次は咄嗟に扉を細くし自分も身を屈ませる。
すると幸いにも気付かれる事は無く、幸村は小さな声で続けた。
「お前が・・・でぇとと言う度に、破廉恥な事をするから・・・」
思い出してしまうのだと。
最後は尻窄みにゴニョゴニョと。
呟いた幸村に、言いたい事が分かった佐助は気まずそうに上を向く。
「あー・・・それは、えーと・・・・・・ごめん、ね?」
苦笑いで謝罪をする佐助は恐らく心当たりがあるのだろう。
幸村も佐助を睨んでいるようである。
「じゃあ、今度の休みに久し振りに破廉恥じゃないデートも、しよっか」
お詫びのつもりかそう佐助が提案をすると、幸村はパッと表情を明るくし嬉しそうに目を輝かせる。
彼と過ごす時間を純粋に喜んでいるのだろう。
笑顔でそれに頷いて、しかしその後顔を逸らすのでどうしたのかと思ったら。
「べ、別に・・・しても・・・嫌な訳では・・・ない・・・ぞ」
「へ?あ・・・あー・・・うん・・・じゃあ・・・」
何がじゃあ、なのか。
慶次は心の中で突っ込みつつ、まだ暫く動かなそうな二人にどうかお幸せにと砂を吐く気持ちで扉を閉め天を仰いだ。
終
お題:「知らないふりをしていたんだ」で始まり、「どうかお幸せに」で終わる物語
条件:7ツイート(980字)以内
咄嗟だったので文字数完全に無視しました。
3→宴→2(プレイ途中)からの現在は4に四苦八苦中(笑)
幸村が皆とワイワイしつつ、佐助に世話を焼かれているのを見るのが何より好きです。