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愛嬌、愛らしさ、懸命 静かな思い
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先日また上田に行ってきましたーーー!!!
上田に行くと心が洗われますね・・・

また来月行こう・・・(←)

https://twitter.com/sayori_888/status/1172097942108299264




SSはとある140字を書いた所ツイッターでお世話になっているりらい先生よりロングVerが見たいですとリクエストを頂いたので書いてみたものです。
詳細は後書きにて。










・戦国
・佐幸

※何でも許せる方向け

※破廉恥描写はありませんがそう言う関係をもっている二人です。










【帳の奥の真相】











たったひとつ欲しいものがあった。

己の忍。
猿飛佐助。

優しく仕事に真面目でいつも自分見守ってくれる。
熱くなりすぎる自分を冷静に諌めてくれる。
そうして怒る時も最後には仕方ないなと苦笑しながら受け止めてくれる。
そんな彼が幸村はとても好きで彼が欲しいと願っていた。

だから思い切って告白をし、佐助が頷いてくれ、恋仲となれた時は嬉しかった。
浮かれて、暫く佐助の顔を見ると思わずニヤけてしまう程。
大将それ周りにバレるから、もう少しいつも通りにしてて。
そう佐助にたしなめられたがどうにも緩む頬を堪えるのは難しく。
呆れられるかも知れないがそれぐらい幸村には嬉しくて堪らない事だった。



しかしそんな幸村とうって変わって、佐助の態度は変わらなかった。
流石忍と最初は感心したが、余りに過ぎると疑念が湧いた。
もしかすると佐助は己の様に嬉しさを感じていないのではないか。
己と同じ気持ちではないのではないかと。

佐助は忍だ。
軽い態度故にいい加減に見られ、忍らしくないと言われる事も多いけれど実際は違う。
彼は何より忍であり、仕事に真面目で優しい男だ。
そんな彼はもしかしたら主に告白され、恋仲となって欲しいと請われ、その願いを断れなかっただけなのかも知れない。
幸村はそう思った。

もしそうなら自分は彼になんて酷い事を強いているのか。
体を重ねる様になってからは更に罪悪感が拭えず。
ただ仲良く寄り添うだけなら兎も角、彼に無理矢理伽をさせているのではと。
そう思えばどうしようもなく申し訳無さが勝った。

それが正解である事を示す様に、褥での佐助はいつも気まずそうな顔をしていた。
そんな顔をさせたくない。
けれど真意を聞いて肯定されてしまうのも怖い。
どうしたらいいのかと考えていると、行為中にも関わらず気が漫ろになってしまい聡い佐助に不安がある事を気付かれる。
どうしたのと問われ、何でもないと返してみてもこの男を己が騙し通せる訳もなく。
暫く抵抗してみたものの努力も空しく、結局幸村はこれまで思っていた事のその全てを白状させられたのだった。



全てを告げた時の佐助は見た事のない顔をしていた。
驚きと言えば告白した時のそれに近いが、同じかと言われれば少し違う。
もっと唖然とした様な。
何を言われているか分からないと言った表情を彼はしていた。

今は行為の途中であり、二人――と言うか佐助はいつも褥でも服を完全には脱がず肌蹴させる程度なので、自分一人素っ裸の状態で沈黙が落ちる空間は非常にいたたまれないもので。
早く逃れたいと幸村は切に願う。

そうしてどれだけそんな時を過ごしたか。
実際はそれ程でもないのかも知れないが、そんな心情故に異様に長く感じていた為、佐助が漸く言葉を発してくれた時には幸村は安堵すら感じたのだけれど。

「あー・・・成程、そうきたか・・・流石旦那・・・まさかそう考えるとは俺様も予想外だったと言うか何と言うか・・・」

呟かれた言葉。
その内容はよく意味が分からないものだった。

更にその後佐助は俯いて震え出し、一体どうしたかと思えば――彼は何故か笑っていた。

「ど、どうしたのだ?」
「いや、何か俺様も色々考えてたんだけど、全部吹っ飛んだと言うかどうでもよくなったと言うかさ・・・」

どうしよう。
本気で意味が分からない。
これは自分の理解力が足りないのか、はたまた無理をさせ過ぎて佐助が錯乱しているのか。

狼狽える幸村にしかし出来る事はなく。
そして佐助はそんな幸村を余所にはぁと大きく息を一つ吐くと、それからひたと幸村を見据える。
睨む様な強い視線で射抜かれ、思わずたじろいだ幸村を、佐助は――

「まぁ何と言うか言いたい事は色々あるけど、取り敢えずはさ」

肘をついて起き上がりかけていた体をを再び押し倒し押さえつけた。
見下ろす不穏な笑顔に思わず冷や汗が流れる。
何だろうか、この常にない迫力は。
そして止めにこの一言。

「そんな誤解二度と湧かない様思い知らせてあげる」

そう言いながら服を脱いだ佐助は何だかこれまでのただ優しい彼とは明らかに違っていて。

幸村はあたふたと逃げ出そうとしたが、真意を問う間もなく唇を塞がれ直ぐに訳が分からなくさせられてしまったのだった。










言葉で問えなかった真意は体に嫌と言うほど教え込まれた。
否、まぁ実際は嫌と言う訳ではなかったのだけれど、それは言葉のあやと言うか。
閑話休題。

佐助は幸村の制止の声も聞かず、もう無理だと限界の言葉も無視して、ダメ止めない欲しい好きだと繰り返した。
気持ちを疑う余地もないくらい滅茶苦茶にされ、漸く佐助が離してくれた時には既に外は白んでおり。
一体どれだけの時間行為に及んでいたのか。
この自分が体を起こす事も億劫だと思う程凄まじい疲労感に幸村は褥に沈みこんだが、同時に安堵も感じていて。
満たされた気持ちで夢見心地に微睡みながら聞いた真相は更に夢のようなものだった。
曰く、佐助が冷静に見えたのは必死に取り繕っていたからで、幸村をたしなめたのもへにゃりと笑う幸村を見るとつられてにやけてしまうからだったと。

「忍なのに情けないけどさ」

そしてもう一つ。
幸村が疑った理由の佐助が仕事に真面目で優しいと言うそれも。

「そんなの、あんた相手だからに決まってるでしょうが!」

大切な相手に優しくなるのも、守る為に仕事に熱が入るのも当たり前だと。
バカだねと苦笑する、その目も酷く優しくて。
それすらも夢だったのではと幸村が思わず呟くと、もう一回思い知るかとニヤリと笑みを浮かべる佐助に幸村は慌てて首を振ったのだった。














もう今宵は十分だ!

お題:「たったひとつ欲しいものがあるの」で始まり、「それすらも夢だった」で終わる物語
条件:11ツイート(1540字程度)




字数は完全無視で。
先日書いた140字をロングVer.で見たいとりらい先生よりリクエストを頂いたので書いてみました。楽しかったです!

元の140字。
幸村Ver.
佐助Ver.


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戦国BASARAの佐幸と真田主従と武田軍と西軍大好きなBASARA初心者です。
3→宴→2(プレイ途中)からの現在は4に四苦八苦中(笑)
幸村が皆とワイワイしつつ、佐助に世話を焼かれているのを見るのが何より好きです。
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