愛嬌、愛らしさ、懸命
静かな思い
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スパコミお疲れ様でしたー!!
いやぁ、凄い風でした!!
でも個人的にはアトラクションみたいで結構楽しかったですw
でもそれを言ったら友人には「そう思える人は滅多にいないよ」と、親には「幸せでいいね」と言われましたw
SSはSSは以前書いた「春の宵」の挿話の様なものです。
今回は幸村ですが、その内他のメンバーも書きたいなと思ってます。
・佐幸
・現パロ
【宵待草(幸村)】
いやぁ、凄い風でした!!
でも個人的にはアトラクションみたいで結構楽しかったですw
でもそれを言ったら友人には「そう思える人は滅多にいないよ」と、親には「幸せでいいね」と言われましたw
SSはSSは以前書いた「春の宵」の挿話の様なものです。
今回は幸村ですが、その内他のメンバーも書きたいなと思ってます。
・佐幸
・現パロ
【宵待草(幸村)】
気付いた時にはそれは既に当たり前の様に幸村の中に存在していた。
戦乱の世を生きた、前世の記憶。
現世を生きた年月はそれの僅か四分の一に満たない。
故にか幸村は平和なこの時代に馴染む事が出来ず、出来上がったのは妙に冷めきって可愛げのない、堅苦しい武士語を喋る気味の悪い子供であった。
その様な子供、普通にこの時代を生きてきた両親にはさぞ受け入れ難かったであろう。
こんなのは自分の子供ではないと拒絶しても仕方のない事だ。
だから幸村は彼らを恨んではいない。
恨んではいないが彼らの拒絶、延いてはそこから始まった虐待が自分の中の獣の意識を更に強めてしまったのだろうなとは単純に事実としてそう思う。
近づけば暴力を振るわれる為身を守るために気配には敏感になった。
間合いに入られぬ様にと、あの時代の様に。
否、戦国の世ですら自らの城、信頼する仲間達の元に居れば安らぐ事が出来た。
腹心の忍がいれば何の警戒も抱かずに眠る事も出来た。
しかしそれが、家と言う安住の地を失った獣は近づくものを全て敵と見做す様になり更に凶暴さを増してしまった。
戦国の世よりも獣に近いとは何とも皮肉な話だが。
そしてそれが両親と――現代の人間との距離を更に広げるものとなってしまったのも皮肉としか言いようがない。
分かっているのに。
それでももう、分かっていても、自分にはどうする事も出来なかった。
状況が変わったのは小学校に上がって間もなくと言う頃だった。
学校で行われた健康診断の折に幸村への虐待が発覚し、幸村は親と別々に暮らす事になったのだ。
その際施設に入るか親戚の元へ行くかどちらいいかと話し合われ、正直の所幸村は何処でも良かったが更なる世間体を気にした両親が後者を選んだのは幸いだったかもしれない。
その親戚と言うのは幸村はちっとも知らなかったが実は過去に同じ西軍に属した大谷吉嗣で。
初めて彼と対面した時、やはり彼も幸村と同じほどの子供だと言うのに、変わらない言葉遣いで、変わらない少し引き連れたような声で、これは懐かしい顔よと笑ったのだ。
彼もまた幸村同様前世の記憶を持っていた。
今生ではその様な人物に会ったのは初めてだった。
だから幸村は初めてその時、一人ではないと思えた気がしたのだ。
しかし、その喜びも別の意味で直ぐに消え去った。
彼の周りには嘗ての豊臣勢がいた。
盟友と謳われた三成も、その臣下であった左近も。
従っていた秀吉に半兵衛まで。
彼らは皆一堂に会し、同じ固い結束で結ばれていた。
それを知った瞬間の喪失感はこれまでの比ではないものとなった。
彼らは変わらず共に在るのに、何故自分の傍にはいないのか。
彼が。
猿飛佐助が。
空虚が胸を焼いてもどかしく、以来獣は只の幽鬼に成り果てた。
それまで生きる為に続けていた食事さえ次第に興味が消え失せて、終には味が分からなくなった。
周囲は一応預かった身と気にして食事を与えてくれたが、味が分からぬなら食事である必要性は全くない。
面倒だからと携帯食で済ませる事が多くなってしまった。
昔は必要時以外でのそれを真っ先に咎める側であったのに。
そんな己の変化と心中を察したのか、大谷も三成も他の面々も、必要以上には近寄らずにいてくれた事は有り難かった。
かと言って全く放り出す訳でもなく、問題が起きそうになった時に止められる程度には見ていてくれた事も。
そう。
感謝はしているのだが・・・
「やれ、小学4年の時だったか、携帯食すら食べるのを忘れて倒れた時には三成が抱えて帰ってそれはもう大変であったわ」
「スミマセン・・・」
「級友を初めて殺しかけたのは5年の時か?三成が気付いて止めなんだら大事になっていたであろうな」
「お手数をお掛けいたしました!」
「主の主は今頃前科持ちよ」
「いや、小学生なら実刑は・・・」
「そうそう、主を探して突然いなくなった事もあったわ。6年の冬になぁ。山中で保護したと警察から連絡があった時には驚いたものよ」
「本当に有難うございましたぁ!」
当時の事を掘り返されるのは少しばかり恥ずかしいので止めて欲しい。
しかもそれを愚痴る相手は幸村ではなく佐助なのがまた。
双方に対して申し訳なくなってくる。
しかし、改めて大谷に謝罪するべきかと思い悩む幸村に慶次は大丈夫だと告げる。
あれは愚痴ではない。
単に佐助をからかっているのだと。
「佐助をやり込められる事なんてそうそうないからさ。遊んでるんだよ、あれは」
確かに佐助を責める大谷は不機嫌と言うよりも寧ろ機嫌が良い様で。
そもそも大谷が本当に幸村の面倒を見る事に不満があったら、これまでに三成が幸村自身に忠告をしてきて事だろう。
そう考えると慶次の言葉は信じられる気がした。
そして、慶次曰く大谷はからかうついでに佐助に発破をかけてもいるらしい。
「もうあれ程の手間はこりごりよ」
大谷が作った溜息と一緒に吐き捨てれば佐助は力強く頷いて。
「当然!言われなくてももうあんたら豊臣に面倒掛ける気なんてないし、そもそも旦那にそんな不摂生も淋しい思いもさせる気ないんで!」
ぎゅうと抱きしめられる心地の良さに、幸村は安堵して腕の中で目を閉じ深く息を吐いたのだった。
終
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プロフィール
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早和
性別:
非公開
自己紹介:
戦国BASARAの佐幸と真田主従と武田軍と西軍大好きなBASARA初心者です。
3→宴→2(プレイ途中)からの現在は4に四苦八苦中(笑)
幸村が皆とワイワイしつつ、佐助に世話を焼かれているのを見るのが何より好きです。
3→宴→2(プレイ途中)からの現在は4に四苦八苦中(笑)
幸村が皆とワイワイしつつ、佐助に世話を焼かれているのを見るのが何より好きです。
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