愛嬌、愛らしさ、懸命
静かな思い
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上田に行きたい~。
けど行けない~。
ので真田幸村チョコ、今年も買いました。
今年は佐助と幸村が同衾(同じ箱)だよ!
けど行けない~。
ので真田幸村チョコ、今年も買いました。
今年は佐助と幸村が同衾(同じ箱)だよ!
https://twitter.com/sayori_888/status/1355798325694320642
SSはりらい先生のお誕生日に贈ったものです。
「コスプレしてバイトする佐助」がリクエストでした。
・佐幸
・現代転生
※何でも許せる方向け
【仮面の下の笑顔】
SSはりらい先生のお誕生日に贈ったものです。
「コスプレしてバイトする佐助」がリクエストでした。
・佐幸
・現代転生
※何でも許せる方向け
【仮面の下の笑顔】
その日佐助は慣れぬ装束に身を包み、とある舞台に立っていた。
否、慣れぬと言うと語弊があるかも知れない。
遠い過去の己を思えばそれは寧ろ慣れ親しんだものとも言えるから。
切っ掛けは今朝方佐助の元に掛かってきた一本の電話であった。
それは佐助が幼い頃に世話になった知り合いからで。
何やら経営する施設で急な欠勤が出てしまったので、今日一日だけでいいからバイトをしてくれないかと言うものだった。
佐助は普段基本的にバイトと言うものをしていない。
理由は一つ。
それをすれば必然的に幸村と離れる時間を持つ事となり、彼に何かあった時に迅速に対応が出来ない可能性があるからだ。
何か、とは色々だ。
怪我をしたり、物を壊したり、騒動に巻き込まれたり、逆に騒ぎを起こしたり。
何よりお腹を空かせたり。
それらに対応出来ない事は佐助にとって由々しき事態であったから。
それ故今まで避けていた。
だが今回は少し話が違った。
その知り合いと言うのが幼馴染みである幸村も同じく見知った相手であったのだ。
義理に篤い幸村は既知の人物が困っているのを放っておける人ではなかった。
助けてあげてはどうかと彼が言い出すのは自然と言うより寧ろ必然の流れであり。
誰あろう彼自身から言われては佐助が出す答えは一つしかない。
幸村に不利にならぬ限りはその願いは叶えてやりたいと。
斯くして佐助は一日限りのバイトに励む事となったのだった。
しかし、幾ら知り合いとは言え幼い頃に会ったきり、もう何年も連絡を取っていなかった佐助に今回態々白羽の矢が立ったのは、バイト先となるその施設が少々特殊な物であったからだった。
服装も当然支給されたもので。
まさか今世でもこの装束を着る事となるとはと佐助は苦笑交じりに思いを馳せる。
そして冒頭と相成る訳であるが。
知り合いが経営するその施設は所謂テーマパークの様なもので。
敷地内は昔の街並みを模した建物が立ち並ぶ空間となっていた。
と言っても実際パークと言うには規模が小さく建物も簡素なもの。
似たコンセプトで言えば京都のそれや某東照のお膝元のものとはとても比べ物にはならなかった。
それでも一つのテーマに特化したその施設は、それが子供や海外の興味を引くものだったのが功を奏し、観光客を中心にそれなりの賑わいを見せていた。
そしてその中で行われる佐助が今立っている舞台も家族連れを中心にそこそこ人が入っている。
その中にポツンと一人、男子高校生が混じっているのはやはり目立つなと佐助は思う。
本人は無頓着だが元々が目を引くお人だと言うのに。
そこから更にその状況となれば当然と言えば当然だ。
勿論、予めこうなる事を予想した佐助は幸村にも一応忠告はしたのだが。
前述の通り周囲からの目に全く無頓着な幸村は舞台を見に行くと言って聞かなかった。
“お前が忍として働くのを、俺が見逃す訳にはいかぬだろう!”
それは幸村が頑として譲らず佐助に言った台詞である。
そのパークの特化した一つのテーマと言うのが、まぁつまりは「忍者」なのであるが。
今も昔も忍好きな所は変わらない。
佐助からしてみればコスプレかと言うそれだが、幸村が目を輝かせて喜ぶならまぁいいかと。
佐助は舞台上で、教えられた台本の通りに動きながらその目立つ観客ばかりを見詰めていた。
皆と同じ装束で、更には顔全体を頭巾で覆っている筈なのに、何故か同じ様に自分ばかり目で追ってくる。
その男子高校生を。
殺陣もアクションも、忍故の特殊な動きすら。
前世で実際にそれであった佐助には容易いもので。
舞台は初めての合わせとは思えない程恙なく進み、何事もなく終了した。
凄い凄いと誉めそやし感謝の意を告げて来る演者達。
佐助としては当たり前の事で特に感慨もなかったが、それより観客席で見ていた幸村の表情が次第に曇っていったのが気になりその輪を抜け出そうと歩いていた。
一刻も早く幸村の様子を見に行かなければ。
そう思った矢先、舞台袖にひそり佇む幸村の姿を見つけて佐助は一度足を止める。
関係者以外立ち入れない場所だが経営者の知り合いならば顔パスだ。
佐助も驚く事なく、それよりも幸村が相変わらず浮かぬ顔でいるのが気にかかり舞台に出た装束のまま幸村の元へと駆け寄った。
「旦那!どうしたの!?」
声を駆ければ幸村は一瞬顔を上げ佐助を見るも、その後すぐにまた下を向いてしまった。
舞台が始まる前にこの装束を見た時は楽しそうに笑っていたのに。
今はどこかつまらなそうだ。
舞台が気に入らなかったのだろうか。
尋ねてみると幸村は俯いたまま首を振り。
「…違う」
否定の言葉を呟いた後、何故か謝罪の言葉をそこに続けた。
「何で謝るの?」
「俺がバイトを受ける様にと言ったのに…良からぬ態度をとってしまった…」
「それは別に気にしてないけど…」
「いや、助けてやれと言ったのは俺であるのに…」
不甲斐ないと幸村は項垂れるが佐助はそんな事は思わない。
けれど理由は知りたいと思った。
でなければ慰める事も、許す事も、そして今後幸村の望まぬ事を避ける事も出来ないからだ。
知り合いを助けてやりたいと言った言葉は本心であった筈なのに。
その心を曇らせた理由は何か。
幸村からの言葉を待てば、彼は拗ねた子供の様な表情になり。
笑わないかと何度も念押しをした上で漸く佐助に教えてくれる。
「お前が…俺以外の忍であるのを見るのがつまらなかっただけだ」
聞いた佐助は思わず呆気に取られてしまった。
頭巾の下で情けなくもポカンと開いた口。
それが、その言葉が佐助の内に浸透するに従い緩んで口端が上がるのを止められくなる。
何て事を言うのだこの人は。
「おばかさん…」
思わず呟く。
この装束で良かった。
でなければ酷く締まりのない顔を晒していた所だった。
そんな可愛い嫉妬なんて、全く必要ないものなのに。
昔も潜入などで幸村以外の下に行く事も実際何度かはあったのだけれど。
どんな時も、いつの時代も。
己が主と抱くのは貴方ただ一人だと言うのに。
しかし理由はそれだけではない様で。
むっつりと唇を尖らせた幸村が佐助の被る頭巾を剥ぎ取りわしゃわしゃと髪を掻き回す。
「それに、お前の茜の髪が隠れているのも気に入らぬ」
乱れた髪のまま佐助は笑い。
猿飛佐助の主もあんただけだけれど、忍としての装束を剥ぎ取りこうして己が素顔を晒すのも間違いなくあんただけだよと。
撫でられるのを待つ犬のように佐助は肩に頭を擦りつけた。
終
昔同じことを言われて頭巾から鉢金に変えた男猿飛佐助。
裏設定として二人の昔の知り合いの経営者は出浦様(by真田丸)的な人で、施設は戸隠神社の忍者パークみたいなイメージでした。
https://www.togakushi-ninja.com/facility
果たしてこれが頂いたリクの「コスプレ」に当たるのか微妙な感じですが(汗)
りらい先生、お誕生日おめでとうございました!!
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プロフィール
HN:
早和
性別:
非公開
自己紹介:
戦国BASARAの佐幸と真田主従と武田軍と西軍大好きなBASARA初心者です。
3→宴→2(プレイ途中)からの現在は4に四苦八苦中(笑)
幸村が皆とワイワイしつつ、佐助に世話を焼かれているのを見るのが何より好きです。
3→宴→2(プレイ途中)からの現在は4に四苦八苦中(笑)
幸村が皆とワイワイしつつ、佐助に世話を焼かれているのを見るのが何より好きです。
P R