忍者ブログ
愛嬌、愛らしさ、懸命 静かな思い
[188]  [186]  [185]  [184]  [181]  [183]  [182]  [179]  [180]  [177]  [178
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


現代の転生+慶ちゃん話です。
慶ちゃんの佐助さんからの態度が若干可哀想な気もしますが、慶ちゃんはでかい男なので結果オーライで気にしません。










・佐幸+慶次
・現代





【冬に陽炎】






佐助は夏になると女遊びが激しくなるねと慶次に言われた。
自覚はある。
事実この時期佐助は取っ替え引っ替えの様に殆ど毎夜違う女を連れていた。
一応後腐れない女を選んではいるのだが、それでも良くない噂に上がっている様で。
自分はどうでもいいと放っておいたが、耳にした慶次が忠告してきたらしい。
そう言うの、止めた方がいいよと言う。
いやはや、面倒見のいい男だ。

「一夏の思い出にって楽しんで遊んでるだけなら俺も止めないけど、佐助のはそうじゃないだろ」

佐助の鬱陶し気な様子に気付いたのか慶次はそう続けた。
ああ、面倒だ。
全く勘が良くて嫌になる。
その言葉がただの偽善や正義感からくるものなら躊躇いなく無視できたのに。

慶次の言葉は正しかった。
夏は開放的な気分になるのか、同じ様にこの季節を楽しむ者もいる様だが佐助のそれは違う。
共に過ごす夜の間に、そこには想いどころか感情すら欠片もない。
ただ仕方なく、必要にかられて。
この時期、佐助は人の温もりを抱いてないと眠れないのだ。
それを手っ取り早く解消する方法が、女を抱くと言うものだっただけ。

「冬ならともかくこんな暑い夏に人肌が恋しいなんておかしいって自分でも思うよ。でも駄目なんだ。目を閉じると腕の中で冷たくなる体が恐ろしくて・・・一人でなんか眠れない・・・」

夏になると脳裏を過る光景がある。
腕に抱いた、次第に冷たくなっていく身体と慟哭する自分。
その度感じる果てしない喪失感と喉を掻き毟りたくなる程の空虚に指先から凍える様に冷えきって、そこから佐助はいつも動けなくなる。
温かな人肌を。
求めて、しかし誰を抱いても焦燥は消えず。
結果女を取っ替え引っ替えする形となり慶次の言葉の通りだ。
これが非難される事、意味のない事と分かっている。
けれど、どうしようもなくて。
ただこの季節が過ぎるのを耐えるしかなかった。

「心配しなくても本気そうな子には手は出さないからさ」

だから放っておいてくれと言い捨てると慶次が尚も食い下がってきた。
それよりも。
言って得意気な顔で。

「そんな佐助に最強の湯たんぽ持ってきたんだって!」

これで大丈夫と笑う顔が無性に腹立たしい。
湯たんぽなんて。
女を使うより倫理的にいいと言うのかも知れないけれど、それこそ無意味だ。
そんな事で解消されるならとうの昔にやっている。
しかし慶次は譲らなかった。

「いやいや、これなら絶対大丈夫。熱すぎてほんと困るぐらいだから。焼けない様に注意しなきゃいけないくらい」

馬鹿らしいと背を向けた、矢先に背後から吹き荒れる熱風に似た炎の気配に佐助は立ち尽くす。
咄嗟に振り返ると陽光の下に苛烈なまでの見慣れた真紅が陽炎の様にゆらりと揺れていた。
冷えきった指を無意識に伸ばすと熱い手のひらに力強く包まれて。

「何て顔をしているのだ、馬鹿者・・・」

抱き締められ、全身を炎に包まれる心地に慶次の台詞が過ったが、焼け死んでも本望だと佐助は温もりにすがり付いて泣いた。











佐助さんは記憶有りでも記憶無し→有りでもどっちでもいい。



PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
早和
性別:
非公開
自己紹介:
戦国BASARAの佐幸と真田主従と武田軍と西軍大好きなBASARA初心者です。
3→宴→2(プレイ途中)からの現在は4に四苦八苦中(笑)
幸村が皆とワイワイしつつ、佐助に世話を焼かれているのを見るのが何より好きです。
P R
忍者ブログ [PR]
Template designed by YURI