忍者ブログ
愛嬌、愛らしさ、懸命 静かな思い
[39]  [38]  [37]  [34]  [33]  [32]  [31]  [30]  [29]  [28]  [27
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


CL●MP先生の「G●TE7」の佐助と幸村のやり取りが余りにも可愛すぎて・・・
我慢が出来ませんでした。










・佐幸+α
・現代
・捏造十勇士注意





【永久シード】







時は現代。
しかし、戦国の世の記憶を持つ真田幸村は、同じように前世の記憶を持つ師、兄、好敵手たち、それから十人の部下と共に、同じ日の本で変わらず騒がしい日々を過ごしている。
人殺しが罪となるこの世は昔と違い過ぎて、初めは些か戸惑ったものだが。
幼い頃からそう言うものだと教えられれば、いずれはそれも慣れるもので。
十数年を過ごした今では、寧ろ大切な者達が傷つかずに済む事が嬉しいと。
そう思いながら、幸村は生き死にとはかけ離れた今の生を謳歌していた。



――筈だったが。

これはどう言う事だろうと、立ち上る殺気にも似た闘気に幸村は狼狽える。
周りの空気は刺す程で。
それを向けられた本人でもないのに幸村は思わず息を飲んだ。

殺気を向けられているのは隣にいる佐助だった。
前の生で己の影のように常に傍らにいた忍は、今生でもやはり幸村の隣にいつもいる。
その佐助は、怯えたような幸村の様子に気づくと直ぐにすっと一歩前に歩み出て幸村の前に立った。
正面から向けられる鋭いそれらから幸村を庇うように。
実際向けられているのは自分なのだから、受け止めるのは当然だと言わんばかりに。

「・・・佐助」

佐助に庇われはしたものの、緊迫した空気は変わらない。
呼びかける声に不安が混じるのを、幸村は止められなかった。
今の世に慣れ過ぎて、殺気に怯えている訳ではないのだが。
何しろ、普段ならば幸村は通り魔だろうが強盗だろうが、刃物を向けられていても気にせず立ち向かっていく性質だ。
そして皆に危ないだろうと怒られるほど。
しかし、今回ばかりは勝手が違う。

「さて、始めましょうか、長・・・」
「今回ばかりは本気で潰しにいかせてもらうぞ」
「や、止めよ、小助!才蔵!皆も・・・!」

こんな身内の殺気を感じるなど、況してや仲間内で争うなど。
前の世では無かったのだ。
 




きっかけは、幸村が佐助と出かけると言った事だった。
否、それ自体は割と頻繁にある事で。
故に佐助に嫉妬の視線が向けられはしたものの、幸村に対しては皆笑顔で。
いつものように見送ってくれた。
何処に行くのか、だの、何を買うのか、だの。
そんな話をしながら玄関先へと向かっていたまでは普段と変わらぬ様子であったと言うのに。
幸村がその問いに答えると、つまり今日の買い物の内容を話すと、空気は一変した。

今日、幸村は初めての携帯を買いに行く予定だった。
機械の類が苦手な幸村は、佐助が常に傍にいるのだから必要ないと、今までずっと携帯を持つ事を避けていたのだが、先日街中でその佐助と逸れてしまった為にちょっとした騒ぎとなってしまった。
何とか無事に再会は出来たものの、その夜切々と携帯の必要性を説かれ。
丸め込まれて、渋々購入を承諾する事と相成った訳だ。
師も特に反対はせず。
兄は寧ろようやっとの幸村の承諾に安堵した様子で。
あれよあれよと言う間に購入は確定となってしまったのだが。
どんなのがいいかと問われ、「扱いが難しい機能が色々付いているものは嫌だ。必要最低限の安いやつでいい」と幸村が言った途端。
それを受けて佐助が呆れながら一番シンプルそうな小さな携帯を指さした途端に、この空気。

 (“きっずけいたい”とやらの何がそんなに悪いと言うのだ・・・!)



途方に暮れる幸村は知らない。
佐助が示したそれは、確かに通話とメールとGPS機能のみと言うとてもシンプルで分かりやすい幸村の希望に沿ったものだが、その分電話帳の登録が3件しか出来ないと言う事を。
そして、信玄と信之は既に決定であり、残り一枠の電話帳の登録の権利こそが、今のこの争いの発端である事を。
勿論佐助を退けたとて、九人の中でまた誰か一人を決めなければならない事には変わりはないのだが、当然のように自分を登録しようとしている佐助の蛮行だけは阻止せねばなるまい。

「旦那といる時間と言い名目と言い、長である俺様が一番順当だって、考えなくても分かるだろ?」
「“元・長”でしょう!今生ではそんなの関係ありませんよ!」
「登録されなくたって、お前らからメールなり電話なりすればいいだけだろうが」
「阿呆か、貴様は。幸村様がワンタッチで操作できない者に連絡を返すと思うのか」

機会に不慣れな所もお可愛らしい!
けど、幸村様からの連絡は欲しい!
十勇士全員の心の声である。

「長こそ、年がら年中幸村様と一緒にいるんだから必要ないでしょうが!」
「そうだ!いつも当然のような顔して・・・偶には譲れ!」

必要な事は転送してやるから、と息巻く九人を相手に、しかし佐助は怯まず不敵に笑った。

「仕方ない・・・そんなに言うなら相手してやるよ。」

佐助は態勢を低くして構える。
九人すべてを相手にするのは楽ではないが。
それでも、家族以外の一番近しい人の枠を誰かに譲る気など無いのだから仕方ない。

「俺様に倒されたい奴、寄っといでってな!」

懐かしい言葉を口にして、佐助は熾烈な戦いに勝利すべく元部下達を討ち伏せにかかる。
こんな争いも、本気ではあるがある意味平和なのかも知れなかった。





その後、へとへとになりながらも何とか佐助は全員に勝利し無事シード権を確保した訳だが。
結局九人に泣きつかれた幸村は、子供用携帯から大人の簡単操作の携帯に変える事を了承し、佐助の努力は無に帰す破目にになるのだった。







 
 
 
 
 
 




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

冒頭に書きましたが、「GA●E7」と言う漫画の佐助と幸村の。

幸村はメール返信くれない→使い方分からない→だから安心だフォンにしてあげたのに!(キッズ携帯だと登録3件で十勇士入らないから!)

このやり取りが可愛くて可愛くて。
変換(?)したら、こんなになりました^^;
調べてみたら実際は4件登録できるっぽいけど・・・
どうなんでしょう?
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
HN:
早和
性別:
非公開
自己紹介:
戦国BASARAの佐幸と真田主従と武田軍と西軍大好きなBASARA初心者です。
3→宴→2(プレイ途中)からの現在は4に四苦八苦中(笑)
幸村が皆とワイワイしつつ、佐助に世話を焼かれているのを見るのが何より好きです。
P R
忍者ブログ [PR]
Template designed by YURI