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愛嬌、愛らしさ、懸命 静かな思い
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クリスマスのお話です。

もう年末、早いですねー。
仕事は忙しいですが、お正月は上田に行くので楽しみです!











・佐幸
・現代(転生?)
・クリスマス
※何でも許せる方向け















昔、クリスマスの朝に枕元に置いてあったプレゼントを見て瞳を輝かせていた。



眩しいその笑顔を見て。
佐助はこの秘密はきっと守って見せると誓ったのだった。










【秘密は恋で暴かれる】










前夜となるクリスマスイブの24時を過ぎ、12月25日深夜。
佐助は息を潜めて僅かに開いた扉の隙間から暗い部屋への侵入を果たしていた。

部屋の奥に眠るのは先日恋人になったばかりの幸村だ。
しかし本日の佐助の目的は夜這いではない。
大切な任務を背負って彼は今ここにいるのである。

それはクリスマスの夜恒例のサンタとしての役割だ。
この夜は幸村の寝ている間に枕元にプレゼント置くのが佐助の毎年の仕事である。
幸村は信じられない事にまだサンタを信じている。
武田の実家にいた頃は信玄と二人で毎年協力していたが。
家を出て二人暮らしとなった今も夢を壊さない為に佐助は一人でこの任務を継続していた。



と、何やら重く語りはしたが、実行は至極簡単な事だった。
何しろ幸村は欲しい物は誘導尋問で簡単に教えてくれるし、佐助は近寄っても決して起きない。
他の者相手には気配に非常に敏感になる為こうはいかないであろうが、こと佐助に限ってはこの任務は幸村が眠っている間に枕元にプレゼントを置くだけなのだ。





そう言う訳で。

プレゼントの準備は万端。
今年も早々に終えてしまうかと動き出した佐助であったが、其処には毎年恒例となっていたが故の慢心があったと言わざるを得ない。
傍に寄り、枕元にプレゼントを置いた所で。

ガッ!!!!

その手首を勢いよく掴まれ息を飲んだ。

「――ッ!!?」



佐助の手を掴んだ者の正体は。
決まっている。
この部屋には今佐助の他には一人しかいない。
寝ていた筈の幸村だ。

「やはり、今年はお前が来たか…佐助…」

しっかりと眼を開いた幸村は、獲物を捕らえたような視線でしっかりと佐助を見据えていた。

油断した。
毎年大丈夫だったからと幸村の気配をしっかりと確認しなかった。
ただ部屋に入っただけならいざ知らず、プレゼントを置いてしまった現状では言い逃れが出来ようもない。

「お前がさんた殿となったか…」



とうとうバレてしまったと佐助は絶望した。
サンタからプレゼントを貰ったとキラキラした幼少の頃の彼の眩しい笑顔を走馬灯の様に思い出す。
こんな初歩的なミスを犯すとは。
とんだ平和ボケだ。
日の本一の忍が聞いて呆れると言うものだ。

(大将、すまねえ…もう何も見逃さないと誓ったのに…)

家を出る際頼んだぞと言ってくれた信玄に心で詫びる。
撚りにも撚って幸村の動向見逃すとは。
悔やんでも悔やみきれない。



手を掴まれたまま項垂れる佐助に身体を起こした幸村は続ける。

「やはり噂は本当だったのだな…」

ん?と佐助は目を開く。
思っていたのと反応が違う。
てっきり幸村は怒るかショックを受けると思っていたのに。

あの眩しかった笑顔を翳らせてしまうと――

「う、噂?」
「あぁ…さんた殿の噂だ。お前も知っているのだろう?」

俺がいるから知らぬ振りをしてるのかと幸村は訝しむが話が見えない。
サンタの正体が佐助でがっかりしたのではなかったのか。



詳しく幸村の話を聞くと、曰く。

サンタに囁かれる実しやかな噂。
その内容は、サンタの正体は実は恋人であると言うのだ。

それを聞き、なるほどと幸村が考え出した結論はこうだ。



恋人が出来るとサンタはその者に継承されるのだ、と。



全ての子供に応じるのは如何なサンタとて大変な事である。
故に、恋人が出来ると僅かに大人に近づいた事と恋人からの贈り物は何より嬉しい事を鑑み、恐らくその役割を恋人にバトンタッチするに違いない。

「だからお前が来たのであろう?」

そう言えば先ほど、幸村は“今年は”と言っていた。
そして佐助に“さんたになった”とも。

つまりはサンタの存在は信じたまま、今年は二人が恋人になった為に佐助に替わったのだと思っているのだ。

「俺を思い言い出せなかったのかも知れないが、俺とてもう子供ではないのだ」

成長と真実を受け入れる覚悟はできている。
だから心配するなと自信満々に宣言され。



サンタって継承式なの?
とか。

それ噂じゃなくて某有名な歌の歌詞では?
とか。

言いたい事山程あるが、取り敢えず。



過去の偽りがバレてない事に安堵すべきか。
それともお役御免となった事を寂しく思うべきなのか。
それでも。

「それに、恋人がさんた殿になると言うのなら俺もお前のさんたにならねばなるまい?」

めりーくりすます、だ!
そう布団の中に隠したプレゼントを掲げた幸村の笑顔は昔と変わらず眩しくて。



佐助は思わず込み上げるものに目を眇めてそれを隠したのだった。





END










佐「旦那…布団の中に隠してたプレゼントさ…凄く温かいんだけど、中身聞いてもいい?」
幸「ちょこれーとだ!」
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戦国BASARAの佐幸と真田主従と武田軍と西軍大好きなBASARA初心者です。
3→宴→2(プレイ途中)からの現在は4に四苦八苦中(笑)
幸村が皆とワイワイしつつ、佐助に世話を焼かれているのを見るのが何より好きです。
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